2020年の箱根駅伝は区間新記録が続出しました。注目されているのが、2020年箱根駅伝の色違いとピンクのシューズです。2020年の箱根駅伝を席捲し、優勝した青山学院大学も使用した 色違いとピンクのシューズとは? 色違いとピンクのシューズの秘密を探ります。
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箱根駅伝の色違いとピンクの厚底シューズ!区間新記録連発、青学も大会記録更新!
2020年の箱根駅伝は、青山学院大学が、 色違いとピンクのシューズを履いて、2年ぶり5度目の総合優勝を果たし、令和最初の箱根王者となりました。
2020年の箱根駅伝は往路を驚異的なタイムで走破した青山学院大学が復路も快走しました。大会記録を7分近くも短縮する10時間45分23秒で、大会新記録を更新し2年ぶり5回目の総合優勝に輝きました。
前回、5連覇が途切れた青山学院大学ですが、今季は出雲駅伝5位、全日本大学駅伝2位から箱根駅伝にピタリと合わせてきました。
総合2連覇を狙った東海大学は復路で5時間23分47秒の復路新記録をマークしましたが、青山学院大学から3分2秒引き離された2位でした。
全10区間のうち、7区間で区間新記録が出るという“超速の箱根”となりました。
塗り替えられた記録の数が異質さを色濃く映し出します。各区間、往路、復路、総合記録で生まれた新記録は実に20です。
前代未聞の超速レースに、東洋大の酒井監督は「箱根駅伝が1つ上のステージに入った。これまでオーバーペースだったものが今では当たり前。違う景色を感じた」と、振り返りました。
絶好の気象条件に加え、長距離界を席巻しているナイキ社の 色違いとピンクの厚底シューズの影響もあるでしょう。
大部分の選手たちの足もとは、右に薄いブルー、左にオレンジの色違い、あるいは左右ピンク一色のナイキ社の厚底シューズで彩られていました。
長距離・マラソン界に革命を起こしている、 色違いとピンクの”魔法のシューズ”です。
2020年の箱根駅伝の色違いとピンクの厚底シューズの驚異的シェア!
昨秋のマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)では男子30人中16人が「ピンクのシューズ」でした。
今大会は210中178人(84.7%)が色違いとピンクのナイキの厚底シューズを履いて出走しました。箱根駅伝ランナーにおけるナイキのシェア率は前々回が27.6%で前回が41.3%。今回はさらに倍増したことになります。
ミズノが4%、ニューバランス4%、アシックス3%、アディダス3%と、他のシューズのシェアと比べれば、ナイキのシェア率は驚異的です。
昨年から倍増したナイキの色違いとピンクのシューズのシェアはすさまじく、ほとんどすべての選手といっても過言ではないでしょう。
2020年の区間新記録の選手も色違いとピンクの厚底シューズを使用?
最終10区で区間新記録をマークした創価大の嶋津選手を除けば、個人の記録達成者のほとんどが、ピンクか左右色違いのナイキの厚底シューズを履いていました。
2020年箱根駅伝を新記録で優勝した青山学院大学も色違いとピンクの厚底シューズ?
特筆すべきは、青山学院大学の選手たちが色違いかピンクのナイキのシューズを選択したことです。
青山学院大学陸上競技部はアディダスとスポーツ分野におけるパートナーシップ契約をしています。
2019年は、東海大学が10人中8人、青山学院大学は10人中1人がナイキの厚底シューズ。2020年は、両校とも10人全員がナイキの厚底シューズを着用していました。
青山学院大学は、大半の選手がアディダスのシューズを履いていましたが、2019年後半からナイキのシューズが“解禁”になり、2020年の箱根駅伝では、選手10人全員がナイキの厚底シューズである色違いかピンクの「ズームX ヴェイパーフライ ネクスト%」を着用していました。
ユニフォームなどでサポート契約している大学の選手も「シューズはナイキ」という流れになってきています。
原監督は、選手10人全員がナイキの厚底シューズを着用していたことについて質問されると、「それはノーコメントにさせてください。走るのは選手の脚と選手の心臓。テクノロジーの進化は時代とともに当然あると思いますけど、普段のトレーニングでは、アディダスのシューズで鍛えています。選手たちは夏合宿で1000km以上走り、寮生活も毎朝5時に起きて、夜は門限22時をキチッと守って、ストイックな生活をしています。そこを強調しないといかんと僕は思いますね」と話されていました。
青山学院大学は、2012年からアディダスとユニフォーム契約をしているという事情があるからでしょうか。
大学と各スポーツブランド間で結ばれているユニフォーム契約にはシューズは含まれておらず、どのシューズを履くかは選手に委ねられています。
青山学院大学は、レース中はナイキの色違いかピンクシューズを着用していましたが、優勝会見ではアディダスのシューズを履いていました。
2020年の箱根駅伝を席捲した色違いかピンクの厚底シューズとは?
2019年の箱根駅伝では、 色違いかピンク の「ナイキ ズーム ヴェイパーフライ 4% フライニット」が着用率トップでした。
「ナイキ ズーム ヴェイパーフライ 4% フライニット」は世界最速のマラソンランナーのパフォーマンス向上を目的にデザインされたモデルで、2018年9月に発売されました。
同モデルを着用したエリウド・キプチョゲ(Eliud Kipchoge)選手が2018年9月に開催されたベルリン・マラソンで世界記録を更新し優勝したほか、10月に行われたシカゴマラソンでは同シューズを着用した大迫傑選手が日本新記録を樹立するなど注目を集めました。
そして、ナイキのシューズのモデルの最新版「ナイキ ズームエックス ヴェイパーフライ ネクスト%」(2019年7月発売)が業界を席巻しています。
カーボンファイバープレートによる推進力を得られ、足への負担が少ないとされるのがナイキの同シューズです。
ナイキの『 ズームX ヴェイパーフライ ネクスト%』は、反発力のあるカーボンファイバープレートを、航空宇宙産業で使う特殊素材のフォームで挟んでいるため、一般的なランニングシューズと比べて「厚底」になっています。
それなのに軽く、推進力が得られるだけでなく、脚へのダメージも少ないという画期的なシューズです。
以前の箱根駅伝のシューズは、「薄くて反発性の高いソール」がメインでした。機能的に並んだ硬いポイントソールで、アスファルトをガリッとつかんで蹴り上げることでスピードを出す、という走り方でした。
これが、「カーボンプレートの反発を使う」という仕組みになって、路面と触れ合うソールに、それほどまでの硬さが必要ではなくなりました。路面からの衝撃がダイレクトに伝わっていたこれまでとは違い、「疲労感」が大幅に軽減され、そして、シューズにうまく体重をのせて重心移動で走るというものに変わりました。
これまでであれば、突っ込み過ぎていると思われるハイペースで入っても、ナイキの 色違いかピンクの厚底シューズを使用すれば、後半まで足が持つといわれています。
ナイキの厚底シューズは、2017年のデビュー以来、着用した多くのトップアスリートの声やデータの蓄積によって改良が重ねられことも大きいでしょう。
「ナイキ ズームX ヴェイパー ネクスト%」のモデルは3世代目です。
2020年の箱根駅伝を席捲した厚底シューズの色違いのニューカラーとは?
これまでは、ナイキの厚底シューズは、ライトグリーン、ピンクの2色の色違いで展開されていました。
2020年の箱根駅伝では、薄いブルーとオレンジを組み合わせた新色・オーロラの色違いが目立ちました。
これは、2019年-2020年の箱根駅伝シーズンに合わせて発売された「EKIDEN PACK」コレクションのものです。
ズームX ヴェイパー ネクスト%の新しいカラーのナイキシューズが、2019年12月に発売されたのです。
まとめ:箱根駅伝2020の厚底シューズは色違いかピンク?区間新記録、青学優勝!
2020年の箱根駅伝は、箱根駅伝の常勝軍団の青山学院大学と“最速シューズ”のコラボレーションで大会新記録がでました。
2020年の箱根駅伝は、色違いとピンクのシューズの影響及び気候も良かったこともあり、区間新記録が続出しました。
もちろん、各大学の監督の指導力、そして選手の弛まない努力の結晶であるとこは言うまでもありませんが。
しかし、色違いかピンクのシューズを採用していくかは、非常に重要なポイントになることは明白であり、今後もキーになるでしょう。
ここでは、2020年の箱根駅伝の色違いとピンクのシューズのシェア、優勝した青山学院大が使用し、区間新記録の選手が使用した色違いとピンクのシューズの秘密を紹介しました。
また、なぜその色違いとピンクのシューズが優れているかについても触れています。
2020年には、どのようなシューズが開発され、2021年の箱根駅伝では新たなシューズが箱根路を席捲するのでしょうか。