ライジングサン(Rising Sun Rock Festival)2019は、台風により初日中止になりましたが、2日目以降は晴天の中、熱い演奏が繰り広げられました。
RSRが愛される理由、そして今年のテントサイト、個人的なベストアクト含め徹底レポートします。
目次
台風の影響で、ライジングサン初日が中止!
台風10号の接近により、開催前日の8月15日午後7時に、初日の16日の中止が発表され、SNSでも悲鳴があがりました。
天候による一部中止は、1999年にスタートして以来、はじめての出来事です。
この初日の中止により、参加者が落胆した、最大の理由が、初日出演を予定していたナンバーガール(Number Girl)の復活ライブが幻に終わったことでしょう。
北海道の地で、向井秀徳が率いるナンバーガールの再結成という邦楽ロック界のビッグニュースが今春舞い込み、多くのファンが本州から北海道にわたる決断をしました。
ナンバガの向井秀徳さんは札幌に強い思い入れがあり、RSRの第1回にも出場し、解散ライブも札幌のライブハウス「ペニーレーン24」で行ったことはよく知られています。
札幌・ペニーレーンと同じ北海道の地で、向井秀徳、田渕ひさ子、中尾憲太郎、アヒト・イナザワのオリジナルメンバーで復活を遂げることにファンは大いに期待していました。(結局、日比谷野外音楽堂で、ナンバーガールは復活ライブを遂げました。)
あまりのショックから、前日のススキノの夜、向井秀徳さんがどこかで飲んでいるのでは、弾き語りをするのではないか、との憶測がSNSでかけ巡り、一晩中探すファンもいたそうです。。
また、昔の向井さんと同じポーズをするファンが、ススキノに出没するなど大騒ぎでした。
音楽フェスが中止の決断をするのは、主催者にとって、苦渋の選択の何物でもありません。
しかし、来場者や出演者の安全の確保が第一なことから、WESSの英断であったと思います。その後、初日分の払い戻しも行われました。
開催を強行しなかったのは、やむを得ない措置でしょう。
初日出演予定だった佐野元春さんが、無念のメッセージとともに演奏予定だった神リストをホームページで公開したり、TOSHI-LOWさんがライジングサンの初日演奏予定だった曲を、一か月後の北海道白老町でのTOBIU CAMPで歌うなど、RSRへの熱い想いを届けていました。
初日中止のうっ憤を晴らすかのように、二日目の会場は、かってない気持ちの良い青空に包まれました。(最近、「沼フェス」「田んぼフェス」と言われてきたこともあり、防備のために長靴を履いてきた人が多かったですが、会場に着いてみると、地面もほとんど乾いていました。)
愛されているライジングサンを実感
二日目、多くの来場者は、満面の笑顔で入場しました。
初日中止の落胆がなかったかのように、二日目が開催されたことへの喜び、短くなった分より楽しもう!という意欲に満ちていました。
ライジングサンの魅力は、北海道ならではの広大な会場と湿度が少ない快適な空気でしょう。
会場に着いた時、深―く深呼吸したときの気持ちよさ!
会場では、毎年このフェスで再開する仲間が抱き合ったり、二泊から一泊になったにもかかわらず、BBQ道具やテントなどの大きな荷物を台車で引いている多くの人が見られました。
北海道の大地でテントを張り、BBQをして酒を飲みかわし、昼夜音楽に身を委ねて、朝日を見るというライジングサンは、もはや多くのファンにとって、大切な年中行事になっているのだな~と実感しました。
会場では、ラジオ体操があったり、盆踊りがあったり、お茶を淹れる場所があったりと、他のフェスに比べて熱いお祭り感が強いかもしれません。
ライジングサンの日の出は、もはや元旦の初日の出のようになり、ここから一年が始まるような特別感があります。
まだ1度もライジングサンに行ったことがない方は、是非とも訪れて、この雰囲気を味わってみてください!
ライジングサンのテントサイトの特徴
ライジングサンの会場レイアウトは、2018年に大幅な変更があり、2019年はその流れのまま大きな変更はないように思われました。
水はけが悪かったテントサイトを移動したり、遠かった駐車場を近くに移動したり、たくさんのトイレの設置等、様々な改善がされてきています。
その中で、ヘヴンズテントサイト、ハピネステントサイト、フォレストテントサイトの特徴(長所、短所)をまとめてみました。
ヘヴンズテントサイト
- サンステージから近く、メジャーなアーティストの音楽をテントから見ることができたり、聴けたりする。
- 最もチケットがとりづらい。
- 最前列は、激しい争奪戦。だいぶ前(真夜中)から入場列に並ぶ必要あり。
- フェス飯の出店が多い場所。
- 一番夜中にぎやか。
- 雨がふると、ぬかるみができやすい。
- トイレは、一番混んでいる。
- 常連が多い。
- テントの飾りつけが派手!
ハピネスサイト
- チケットの競争率はやや高め。
- 飲食ブースやグッズエリアなどが近い。
- 静かに夜が過ごせる。
- スペースはわりと狭い。
フォレストサイト
- チケットの競争率は最も低い。
- 自然に囲まれ、アウトドアキャンプの雰囲気を満喫できる。
- 近くの飲食ブースは、石狩の地元の方が多く、野菜も新鮮でおいしい。
- 外のサイトより、一区画のスペースが広い。
- セイコーマートが近くて便利。
- 場外駐車場が遠い。
- 夜は静か。
ライジングサン2019のベストアクトは?
日数は少なくなりましたが、二日目以降は天候にも恵まれ、出演者も気持ちがよさそうで気合も入り、熱演が繰り広げられました。
ベストアクトといいながら、一つに絞るのは難しく、個人的に感動したステージを紹介します!
ELLEGARDEN
ELLEGARDENの登場を待っていたファンから大歓声が上がる中、細美武士さんが、生形真一さん、高田雄一さん、高橋宏貴さんともに登場しました。
「Fire Cracker」、「Space Sonic」「モンスター」で、早くも客席は大熱狂です!
エモーショナルなメロディーラインを奏で、メンバーからの初出演のときのエピソード、細見さんの熱いメッセージに観客が呼応します。
エルレの音楽で助けられた日々を思い出し、今エルレの音楽に身を委ねる幸福感で会場は一体になっていました。
「ありがとう」という言葉が、ステージから、そして客席からと飛び交います。
なんともあったかいステージです。
「ジターバグ」「Salamander」「虹」などが披露され、ラストは「スターフィッシュ」で大団円となりました!
BEGIN
はるばる石垣島から、心地よい南の風を運んでくれました。
トークも面白いBEGINですが、できるだけ曲を披露したいので後はTwitterでとのジョーク(Twitterはやってないらしい)も交え、「海の声」からスタートしました。
「国道508号線」、「オジー自慢のオリオンビール」と盛り上げ、「島人ぬ宝」で大合唱!
最後には、「涙そうそう」が北海道の大空に溶け込んでいきました。
BEGINほど、青空と風が似合うミュージシャンはいないでしょう。
ゴスペラーズ
夕日の中、RED STAR FIELDに登場したのが、ライジングサン初登場のゴスペラーズです。
マイクだけで登場した彼らは、「永遠に」で幕開け、アカペラの世界に観客を誘います。
黒沢薫さんの破裂音のようなボリュームで一気に惹きつけられ、村上てつやさんの伸びやかな声量に驚きます。
安岡優さん、北山陽一さん、酒井雄二さんもそれぞれの個性で観客を引き込みます。
ロックフェスの会場が、いつのまにかゴスペラーズが創る透明な世界に変わりました。
ファレル・ウィリアムスの「Happy」やスピッツ「ロビンソン」、美空ひばり「真赤な太陽」のカヴァーも歌われました。
あまりに美しいハーモニーです。
その他に、年齢を感じさせないあまりに情熱的な吉川晃司さんのステージ、ゆったりとした雰囲気で夜のボヘミアンガーデンで行われた奥田民生さんのホッカイカンタビレが印象的でした。
ホッカイカンタビレでは、特別にライジングサンのテーマ曲の制作が行われ、レコーディングのゲストは、怒髪天・増子直純、崎山蒼志、真心ブラザーズ、GLIM SPANKY、フジファブリック、吉川晃司、湊雅史、ウエノコウジ、TOSHI-LOWらという豪華ぶりです。
ステージでは、なんと細美武士とTOSHI-LOWさんが登場していました。
ライジングサンのおすすめ空間:PROVOとTAIRA-CREWとは?
ライジングサンでは、オールナイトフェスらしく、昼と夜、幻想的な空間でくつろぐことができる空間があります。
色鮮やかなデコレーションやアート、夜のライトアップやキャンドルも美しく、まったりと疲れた体を癒すことができます。
その空間が、PROVOとTAIRA-CREWです。
PROVO
コンパクトなステージですが、抜群に音響が良くてIki orchestra(Rei(Vo&G)、前田サラ(Sax)、日向秀和(B)、中村達也(Dr))